無垢フローリングについて

無垢フローリングとは?

無垢フローリングの無垢(ムク)とは、“混ざり気のない”という意味です。
1本の木から取れるつなぎ目のない木材、または混じり気の化学生物を含まない自然素材(天然の木)の事を「無垢材」と言います。古来より日本の建築文化に深く根付き、現在残っている歴史的な寺社仏閣なども、ほとんど天然無垢材によって建てられた木造建築です。日本最古の木造建築物「法隆寺五重塔」は、約1400年以上も立ち続けています。無垢材は、とても耐久性のある木材なのです。

無垢材は、
・湿気の多い日は水分を吸収する(保湿性)
・乾燥している時は吸収した水分を放出して湿度を保つ(調湿性)
・遮断性がある
と言った特性を持っています。

天然の木は、伐採された後も呼吸を続けています。湿気がおおくなれば水分を吸収し、 乾燥すると内部の水分を水蒸気として空気中に放散、天然のエアコンのように、湿度を調整してくれるのです。また、木の断熱性はコンクリートの約12倍と言われ、周囲の温度に影響を受けにくいのも特徴。なので夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。
また、長所としては、
・丈夫で耐久年数が長く、経年変化で味わい深い色になる
・研磨をすると新品同様に蘇る
・本物だけが持つ重厚感や木のぬくもり
などがあります。

天然木なので、合板などと比べると傷がつきやすいのが短所。もちろん無垢材だけでなく、長年使い込むと多少の傷は出てきます。ですが、天然木は表面を研磨するとまた新品同様に蘇らせる事ができるのです。また、木そのものの重さや堅さが重厚感を感じさせてくれ、さらに木の温もりで、優しさも感じる事も出来ます。


無垢材は空気中の湿気を吸収・放出するので、住宅等においては、住み心地の良さを提供しますが、常に膨張と収縮を繰り返いしているため施工場所の環境によっては、隙間が出来たり、反り等が発生する事があります。その無垢材の特質を理解した上で、ご使用をお願いいたします。

フローリングのタイプ(規格)
-ユニ(FJ)・集成(FJL)・乱尺(ランダム)・ソリッド(OPC)-

基本は4つのタイプ(規格)に分けることができます。

・ユニ(FJ)タイプ
ユニタイプとは、縦方向に4枚から5枚継がれているフローリングです。例えば、90巾のユニタイプ塗装品と言うと、板1枚の幅が90mmで、縦に4枚から5枚継がれているということです。(※商品やメーカーによって、縦継ぎ枚数が異なる場合があります。気になる方は、継ぎ枚数を確認してください。)

・集成(FJL)タイプ
集成タイプは、フローリング1枚の中で、縦・横と両方に材が継がれてできているものを指します。例えば、90巾集成3Pタイプとなれば、フローリングの1枚の幅が90mmで、その中で横に3枚継がれているということです。

・ソリッド(OPC/一枚物)タイプ
ソリッド(OPC)タイプとは縦方向にも横方向にも継目がない1枚の定尺フローリングのことです。他に、一枚物やOPC(オーピーシー(ワンピースの略))と呼ばれたりもします。1本の木からフローリングの長さ(1820mm)で切り取っていくので、希少性があり少し値段が高くなります。

・乱尺(ランダム)タイプ
乱尺タイプは、フローリングの長さが一定ではなく、1箱の中に長さの違うフローリングがアトランダムに入っているものをいいます。アトランダムに入っていますが、2枚または3枚合わせるとフローリングの長さ(1820mm)になるようになっています。





「面取り」「面無し」とは?

無塗装品の規格に「面取り」と「面無し」があります。
その違いは、フローリングの両端の部分が面になっているか、いないかの違いです。 日本では昔から「面取り(面とり)」が主流でなじみがありますが、欧米などでは「面無し(面なし)」の方が人気で主流となっているんですよ。

・面取りとは
フローリングの角にサンダーを掛けて角を取る事を「面取り」と言います。なので継ぎ合わせた時に溝が出ます。


・面無しとは
文字通り「面が無い」ということ。継ぎ合わせた時に、溝が出来ず平らな仕上がりになります。






 UV塗装(ウルトラバイオレット塗装)と
 PU塗装(ポリウレタン塗装)の違い

・UV塗装(ウルトラバイオレット塗装)
UV塗装とは、UVカット、紫外線を遮断する塗装と思われる方も多いですが、実際はそうでないんです。UVとは Ultra Violet Rays の略称で「紫外線」を意味していますが、この塗装は「紫外線で乾燥させる方法の塗装」と、いう意味になります。「塗料を塗った後、紫外線を使って塗料を乾燥させて仕上げます」という事です。塗装機械の中で塗料を塗り、その後にこのUV(紫外線)を照射します。それによって塗料が数秒で乾燥・硬化します。そのシステムを使って塗装したものを、UV塗装フローリングといっています。

【UV塗装の特長】
  1.表面の塗膜が硬く、耐磨耗性にすぐれていて表面の傷がつきにくいという点
  2.仕上がりが美しく、鏡面仕上がりで光沢が美しい。見た目がよく高級感のある光沢
  3.機械の導入で硬化時間が早く生産が上がり、ラインの人員も少なくてすみます
  4下地に他の着色をつけることも可能で、仕上がりがいい
  5.いろんな商品への塗装が可能です

【UV塗装の短所】
  1.UV塗料機械が高価(塗料も導入機も高め)
  2.通常40~50メートルのラインなので機械の設置に場所をとります
  3.平面の仕上げにはいいが、立体の製品には不向き
  4.工場内のみ塗装となります



・PU塗装(ポリウレタン塗装)
PU塗装とは、ポリウレタン塗装を略してそう呼称しています。ポリウレタン樹脂塗料とは硬化中にウレタン結合するか、初めから樹脂中にウレタン結合を持っている塗料のことです。UV塗装と比較しても、表面の仕上がりや見た目はさほどかわりません。塗膜がUVと比較すると若干柔らかい程度で、木材の塗料にはよく使用されています。UV塗料と違って、塗料を塗った後、乾燥するまで時間がかかるので、完全に硬化するまで1~2日程度要します。

【PU塗装の特長】
  1.仕上がり具合いもよく美しい光沢があります
  2.機械的特性が良い、硬く耐摩耗性がある
  3.外部での使用も可能
  4.UVの塗装機械と比較すると機械の導入費用は低く、わずかなスペースでも可能

【PU塗装の短所】
  1.塗料が硬化するまでに時間がかかるのでUVと比較すると生産性は低く、乾燥まで時間を要する
  2.ラックの設置や乾燥室も必要
  3.雨天時や多湿のときは乾燥するまでに時間がかかります。また乾燥するまで不純物の付着を避けなければならないため乾燥室をクリーンにしなければなりません
  4.生産を上げるには人員と場所を要します




自然塗料(自然オイル)仕上げについて

これまで無垢フローリングの仕上げ塗装は「UV塗装」または「PU塗装」が一般的でしたが、近年の自然素材仕様傾向により、自然塗料(自然オイル塗装)仕上げが注目を浴びています。
塗料の種類は、大きく分けて「化学塗料」と「自然塗料」があります。


・「化学塗料」とは?

一般的に良く知られているのがUV塗装(ウルトラバイオレット塗装)とPU塗装(ポリウレタン塗装)です。最近の化学塗料は昔に比べると、だいぶ環境や人に優しくなってきています。フローリング通販GHSでは主に、UV塗装品仕上げの無垢フローリングを取扱っています。

化学塗料の場合は、強い塗膜でができるので、無垢フローリングの表面から奥深くに汚れなどが染み込むということはありません。また塗膜が硬いので、キズも付きにくい特徴があります。ですが、1つ欠点としては、強い塗膜ができるので(鏡面仕上げ)、無垢材の温もりや質感は少し失われてしまいます。木そのものの質感を大切にしたい、感じたいという方には少し不向きかもしれません。



・「自然塗料」とは?

鏡面仕上げのPU塗装やUV塗装とは違い、植物由来成分を主原料とし、人にも環境にも優しい塗料です。自然塗料の中には、フローリングの表面に薄く塗幕(塗装の幕)が出来るタイプと、木に染み込むタイプのものがあります。フローリング通販GHSで取り扱っている自然塗料のフローリングは、染み込むタイプの塗料を使用しています。

基本的に自然塗料は木材の表面から油脂(オイル)を浸透させるため、木材本来の手触りなどが残ります。塗装工程も難しくはないため最近では、住宅建築の際に、施主さまご自身で塗装作業をされる方も増えてきています。

ですが化学塗料と違って、自然塗料は強い塗幕が出来るわけではないので、化学塗料と比べるとキズが付きやすくなってしまいます。お手入れも簡単で掃除がしやすく、キズもつきにくい方がいいという場合は、化学塗料のフローリングを選んだ方がいいかもしれません。


自然塗料の原料は天然油脂となっており、無塗装フローリングの仕上げとして使用されています。詳細な原料は、各メーカーによって異なりますので、詳しくは弊社までお問い合わせください。